名前の移民社会学 2015-04-09 ディアスポラ 0 生まれてくる子供にどんな名前をつけるのか。父母どちらの国に生きることになっても恥ずかしい思いをしないようにと、国際カップルは苦心する。そんな努力の結晶のような名前を耳にすると、絶妙のバランス感覚と美意識に感嘆する。 一方、日本ではしばらく前から、俗に〈暴走万葉仮名〉とよばれるよ [...]
イスラーム墓地は 向きが肝心。 2015-03-22 ディアスポラ 0 民話や神話では、主人公が良い行いをすると妖精や神様が〈ごほうび〉に願いごとを叶えてくれる。どこの国でもその数は3つというのが相場のようだ。こうした伝承に倣ったのかどうか知らないが、第一次大戦に勝利したフランスも、イスラーム圏の植民地出身者の貢献に、3つの施設をつくって報いようと [...]
母国語ユーモアで極限を生き抜く。 2015-02-19 ディアスポラ 0 アウシュヴィッツ 第2強制収容所の 鉄道引き込み線 —アウシュヴィッツ編— 悪い癖だとわかっているが、日本人の知り合いに会うと、どうしても親父ギャグを連発してしまう。先日もある店員さんに「よくそんなに出る」と苦笑された。営業妨害になるといけないから今後は自制することにするが、母 [...]
世界を変えた出版社。 2015-01-22 ディアスポラ 0 —母国語で読むということ〈ロシア語編〉— 正月3日、5区の警察署脇の書店の奥で、アリクさんは、中年の女性客にロシア語で新年のカレンダーを売っていた。風邪のせいか、声がかれている。軒先にはキリル文字の児童書が並び、看板には「YMCA Press」と書かれていた。ロシ [...]
「ギロサフト・ショバス! クリスマスおめでとう!」 2014-12-22 ディアスポラ 0 —母国語をつかう〈グルジア編〉— 15区のRue de la Rosière にある集合住宅の地下に降りると、お香の匂いが鼻孔を刺激した。小さな集会所のような空間の奥にはアーチに縁取られた祭壇が控え、側面の壁にはイコンが掲げられている。幼児から老人まで30人近い人 [...]
「ジャークユ(ありがとう)」 2014-11-25 ディアスポラ 0 祖国を救おうという 古本市の会場で。 左端が オレーナさん。 —母国語で読むということ〈ウクライナ編〉— ノーベル平和賞の受賞が決まった10月10日の夜、「古本市がある」と知人に誘われて行ったウクライナ大使館文化センターの広間で、主催者のオレーナ・コデさんは帳面を片 [...]
「ヤーシムシズ(こんにちは)」 2014-10-22 ディアスポラ 0 —母国語で読むということ〈ウイグル編〉— 行きつけのカフェで一息いれていると、前のテーブルにフランス人とアジア人のグループが三々五々あつまってきた。そして、おもむろに「次の号は何ページにする?」、「〈フランスの生活〉のコーナーはどうする?」と打ち合わせを始めた。フラ [...]
Japon – Canada — 「塹壕のサムライたち」 2014-09-21 ディアスポラ 0 写真提供:バンクーバー日系人博物館 今年は第1次世界大戦の開戦から100年をむかえる。日本の歴史の教科書などでは、日本もこの戦争に参戦したものの、中国の青島(チンタオ)や南太平洋諸島のドイツ領を占領しただけで激戦を経験しなかったというのが一般的な認識となっている。同じ時期に多く [...]
「Dia duit (ジア グチ—アイルランド語でこんにちは)」 2014-07-24 ディアスポラ 0 —母国語で読むということ〈アイルランド編〉— パリの南部に位置する〈大学都市〉には、各国が学生会館を建てて留学生たちを住まわせている。大学の国際化などというと最近の現象のように思われるが、実はヨーロッパの大学は中世の時代から国際的だった。パンテオンのすぐ [...]
「言葉の総合メーカー」 2014-06-22 ディアスポラ 0 マリアさん。手にしているのは『フランス語難点辞典』。 手軽でよくまとまっていてフランス語の向上に必須。 ー辞書専門の書店・出版社ー 〈言葉の迷路〉という表現があるが、その店はモンパルナス通りの喧そうを避けるように、映画館〈7 Parnassiens〉の建物を貫く細い通 [...]