マクロン大統領は12月13日、フランソワ・バイルー(73)氏を首相に任命した。前バルニエ内閣(74)が12月4日、内閣不信任案可決によって翌日解散したため、後継者任命が待たれていた。マクロン大統領の第2期(2022年4月から)4人目の首相となる。
バイルー氏はMoDEM党(民主運動 Mouvement Démocratique /中道)の創設者で党首。2002、2007、2012年と3回大統領選に立候補したが、2017年は自らの出馬を断念しエマニュエル・マクロンの応援にまわるなど、初期からの有力な支持者として知られる。マクロン政権ではフィリップ内閣で法務大臣に就任(しかし欧州議会の公的資金の流用疑惑で2ヵ月で辞任した。昨年、第一審で無罪になったが検察局は控訴し、現役の首相が裁判で裁かれる初めての例となる可能性もある)。1993-97年の教育相、欧州議会議員などの経験がある。
左派からは、7年間続いたマクロン政策を国民が拒否した結果となった欧州選挙、国民議会選挙の結果にもかかわらず、その政権を支えてきたバイルーの人選は不適切という声が多く、不信任案の提出の声もあがっている。国民議会においてMoDEM党は36議席を占め、マクロン率いるEnsemble pour la République党(93議席)とHorizons党(34議席)と中道連合を構成(国民議会は全577議席)しているが、左右陣営からどれだけ支援を得られるかは不明だ。(六)