あなたも一度は見かけたことがあるだろう、フランス人のすきっ歯。フランスでは「幸福の歯 dents de bonheur」と呼ばれ、この歯と歯のすき間から幸せが入ってくるという。なんだか逆にその「すき間」から出ていきそうな気もするが…。
フランス人が外見で一番気にするものは歯並びだろう。フランスでは、視線と同じくらいに口元の表情がチャームポイントとされ、そこで歯並びが大切ということになる。そのためフランスでは、中学生くらいになると歯並びを矯正することが多い。また幼児の指しゃぶりやおしゃぶりも、歯並びが悪くならないように、親はなるべく早くやめるようにと気遣う。歯並びにこんなに敏感なフランス人なのに、この「dents de bonheur」だけは、あえて矯正治療をしない人もいるのだとか。日本人からみると、発音も上手にできないのでは、と気になって仕方がないが、例えばヴァネッサ・パラディやヤニック・ノアのごとくすきっ歯のフランス有名人は、いずれも美貌(びぼう)と個性、オーラの持ち主。この歯を矯正しないというのもうなずける。
逆に、フランス人が気になるのは日本人の八重歯。年末に初めて日本を旅行したフランス人の日本人に対する第一印象といえば、「歯がひどい」。よくよく問いただしてみると八重歯のことだった。アジアでは「かわいい」といわれたりするが、フランス人にとっては ドラキュラのイメージになるのだろうか?
ところで、最近虫歯治療をしてもらったのだが、歯医者さんが「日本人の歯は欧米人の歯より色素が沈着しやすいから、赤ワインを飲んだ後はすぐうがいした方がいいですよ」とアドバイスしてくれた。ワイン大国フランスで暮らすワイン好き日本人にはちょっと耳が痛い…。(有)