冬休み、ミラが見ていたテレビはアニメ番組が多かった。日本の女性音楽ユニットが主役の『ハイ!ハイ!パフィー・アミユミ』、いわずと知れた『ポケットモンスター』、忍者が出てくる『手裏剣スクール』などなど。どれもこれも日本をモチーフとしたものばかりではないか。
学校でも日本関係の遊びは人気が高い。ポケモンカードは一度も買ったことがないのに溜まる一方。ミラがアニメ『きらりん☆レボリューション』の歌を、学校の友だちと日本語で歌って踊っていたのにはちょっと驚いた。どうも数年遅れで流行がフランスに上陸するらしい。ジャパン・エキスポやYoutubeの成功もジャパニーズカルチャーの広がりを後押しする。シリーバンズ(形状記憶のシリコン製ブレスレット)が登場した時は「やっとフランス産が出た」と嬉しかったもの。ところがほどなくこちらも日本の商品が派生したものとわかりがっかり。
フランスの子供が日本に興味を持ってくれるのは誇らしい。だがフランスならではの遊びが生まれにくい状況ならば寂しい。先進国の子供が好きなものはみな似たり寄ったりなのか。ミラにフランスならではの遊びはないのか聞いてみると「あるある、『La Nouvelle Star』ごっこ」と得意げに答える。M6局の人気オーディション番組の真似っこだ。しかし要は往年の人気番組『スター誕生!』と変わらないような…。(瑞)