ロマ人とは、インドに起源をもつ移動型民族で固有言語としてはロマ語(romani)を持つ。インドからヨーロッパ(とくに東欧)にかけて広く分布し、世界中で580万人から1300万人といわれている。フランス語ではGitan, Tsigane, Manouche, Bohémienなどと呼称されているが(Gitanは「エジプト人」に当たるジプシー、Tsiganeはビザンチン時代のギリシャ語で「不可触民」という蔑称)、1971年、世界ロマ会議で「ロマ人」という呼称が提唱されたが、ロマ人ではないとして「ロマ」の呼称を否定する集団もある。gens du voyageという呼称はロマ人だけでなく、定住地をもたずに移動しながら生活する習慣を持つ民族を総称していう。