7月3日付パリジャン紙の表紙。
7月3日、今年で第97回を迎えた世界一の自転車ロードレース、ツール・ド・フランスが、オランダ、ロッテルダムのタイムトライアルでスタート。昨年優勝したスペインのコンタドール選手の活躍が期待されている。
●フランスサッカー連盟会長が辞任
フランスサッカー連盟(FFF)会長ジャン=ピエール・エスカレット氏は、6月28日、会長職を辞任すると明らかにした。サッカーワールドカップ(W杯)でのフランス代表の一連の騒動の責任を取った形。また、レイモン・ドメネク監督と同会長は29日、国民議会文化委員会で騒動に関する非公開の聴取を受けた。さらに、7月2日にはFFF会議が開かれ、エスカレット会長辞任に伴う会長代理の任命は23日に延期され、ジロンダン・ド・ボルドー監督のローラン・ブラン氏が正式にフランス代表監督に任命された。
●DV取締り強化法、国会で最終成立
ドメスティック・バイオレンス(DV)の取締りを強化する法律が6月29日、国会で最終成立した。同法には精神的暴力もDVとなることや、加害者を被害者に近づけないための電子ブレスレットの試験的導入(3年間)が盛り込まれた。また、被害者やその子供が危険な状態にあると判断される場合は、家庭裁判所判事が緊急に保護命令を発令でき、加害者を強制退去させたり、被害者を安全な場所に移せるようになる。フランスでは2008年度で156人の女性がDVで死亡している。
●公費無駄遣いで、2閣僚が辞任
7月4日、アラン・ジョワヤンデ海外協力担当相とクリスチャン・ブラン首都圏開発担当相が辞任した。ジョワヤンデ氏は公用でマルチニークに行くために飛行機をチャーター(11万6500ユーロ)し、ブラン氏は1万2千ユーロ分のキューバ葉巻を公費で買ったことをメディアに暴露され、問題になっていた。二人の職務はそれぞれ、クシュネール外相とメルシエ国土整備相に引き継がれる。またフィヨン首相は5日、サルコジ大統領の指示を受けて、経費節減ルールを全閣僚に通達。公用の移動はなるべく列車で、レセプションやセレモニーは華美にしない、官房スタッフ数は大臣で最高20人、閣外相で4人とするなど。
●公立病院の小規模外科を廃止へ
公立病院の小規模の外科を廃止する政令を厚生省が準備していることが7月4日に明らかになった。対象となるのは、2007~2009年の年間手術数が1500件未満の外科。年間1050~1500件の手術数の外科には3年間の猶予期間が設けられる。ジュルナル・デュ・ディマンシュ紙によると、閉鎖対象となる外科は54。保健省は年間手術数が一定程度に達しない外科は安全対策も不十分であると説明。しかし、公立病院の医師・職員組合などは、手術数と安全性の関係には根拠がないと反発している。
●ヴィリエ暴動裁判、禁固3~15年の判決
2007年11月にヴィリエ・ル・ベル(ヴァル・ドワーズ県)で起きた暴動に関する裁判で、ポントワーズ重罪院は7月4日、5人の被告に禁固3?15年の有罪判決を言い渡した。この暴動はバイクに乗った若者2人がパトカーと衝突して死亡した事件をきっかけに起こり、多数の警官が負傷した。その際に警官に向けて発砲したとされる若者4人のうち、29歳の兄弟に禁固12年と15年、ほかの2人(26歳、23歳)にはそれぞれ9年と3年の禁固刑。銃を調達したとされる残り一人には禁固3年。被告5人はいずれも罪状を否認、被告弁護士は「証拠がない」と無罪を主張していた。
●国営フランスTV会長にフリムラン氏
サルコジ大統領は7月5日、国営フランス・テレビジョン会長に新聞配布プレスタリスの現社長、レミ・フリムラン氏(56)を任命すると発表した。候補にはパトリック・ドカロリス現会長(57)や大統領が支持するアレクサンドル・ボンパール=Europ1社長(37)の名が挙がり、ボンパール氏任命が確実視されていた。しかし、相次ぐ閣僚の疑惑問題から、大統領と親しい人物を任命するのは得策ではないと判断したため、フリムラン元France 3局社長の任命となった模様。大規模な再編計画やCM廃止など新会長には難しい問題が山積している。会長交代は8月24日。