「4人も子供がいるなら、いい人に違いないわ」「彼女にも2人、僕ともう一人つくろうとは言わないだろう」。二人の出会いは3年前。条件にぴったりの人を見つけたのは、パスカルさん自身が主催する、映画や音楽などの趣味が手がかりの出会いサイト(www.pointscommuns.com)だった。ピレネー地方のアヴァロンで金属会社の人事課に勤め、10歳と9歳の子育てをしていたマエルさん。前の彼女との間に19、18、16、13歳の子供がいるパスカルさんは、パリで独り暮らしだった。メールや電話でやりとりするうち会ってみたくなった。「待ち合わせはスターリングラードの駅前だったわ。自転車のかごに大束の葱を入れてやってきたのが彼だったのよ」とマエルさん。強烈なインパクトだった。 ほどなく一つ目の幸運が訪れた。マエルさんにパリ転勤の話が舞い込む。立て続けに二つ目の幸運。二人はHLMに当選した。メニルモンタンの東にあるアパートは、まるでジャック・タチの映画を彷彿(ほうふつ)させる、モダンとレトロが交錯する風変わりなつくり。4寝室で120m2。「基本的には僕らと彼女の子供の4人暮らし。でも、しょっちゅう僕の子が交代で泊まりにくるから、いつも子供だらけだよ」。年齢差があり、育った環境も違う子供が大勢集まったらノと想像するだけで、パニックに陥りそうだ。「そうね。打ち解けるのに時間はかかったけど、今では上の子が下の子の面倒を見るようになり、一つのチームになってきたの」と微笑むマエルさん。複雑な面が強調される複合家族だが、彼らの楽天的でリラックスした様子に、少々イメージが変わった。ともに相手の子を「自分の子」とは呼ばない。だが、パスカルさんは毎朝、彼女の子を学校へ送りだし、料理も担当する。ともに結婚の経験はなし。「一緒に暮らし子育てすることが一番大事。その上契約書が必要だと感じたことは、一度もない」と声を揃える。「二度目、三度目の共同生活は、互いに重要なことがわかっているから、より成熟した人間関係を築けるんじゃないかな?」。まさに絶妙のバランスを見つけた二人であった。(咲) これから相手に期待したいことは? 前回のバカンスは? 夢のバカンスは? 最近、二人で出かけたイベントは? お気に入りのレストランは? カップルとしての満足度を5つ星でいうと? |
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