初めまして! レーシングドライバーの三上和美です。これまで日本を中心にレース活動を行ってきたけれど、昨年2月の「ラリー・モンテカルロ(ヒストリック部門)」に出場し、ヨーロッパの自動車文化の奥深さに大ショックを受けて移住を決意。そして渡仏して約5カ月。まだまだ「日本流」から抜け出しきれない…というか、毎日カルチャーショックの連続といった日々を過ごしている。
特に驚かされることが多いのは、やはり職業柄か自動車関係のこと。「ラリー・モンテカルロ」で対戦した欧州のドライバーたちのレベルの高さはもちろんのことだけれど、レース後に観光でフランスの道をドライブした際に出会った大勢の「地元のオバちゃんたち」には、ビックリを通り越して感動すら覚えてしまった。日本の高速道路並みの制限速度が設定された細い山道を、制限速度以上でビュンビュン走り、さらに少しでも前の車が遅いと感じようものなら、後ろからすかさずクラクションで「どけどけっ!」の露骨なサインを送ってよこす彼女たち。「あの~、私、一応レーサーなんですけど?」と言い返したい気もするけれど、フランスのオバちゃん、恐るべし…。
もちろんこの「フランス式運転」が山道にとどまらないのは、みなさんご存知のとおり。前後のクルマにぶつけながらの「芸術的な縦列駐車」や、勇敢にも夏タイヤのまま雪道に乗り出した車が事故を多発し、大混乱に陥ってしまうパリの交通事情。日本ではあり得ないこれらの光景に、当初は正直「私は本当にここでやっていけるのかな?」と、少し不安を感じてしまった。
とはいえそんな私も、今ではパリの街中をバイクや車でスーイスイと走っているのだから、慣れって恐ろしい。それとも私が図太いだけなのかな?(和)