お化けアナゴを料理

 ウエサン島には一軒だけ、ジェケルさんという漁師の奥さんがやっている魚屋がある。売っている魚は漁次第。今年はサバが豊漁だったのはいいが、店に並ぶのは、毎日サバ。いくら活きがいいといっても、塩焼き、バスク風、しめサバ、刺身と調理法をいろいろ変えてみても、さすがに飽きてくる。そんなある日、店頭に巨大な頭!  客は誰も手を出さない。冗談半分で「アナコンダの頭ですか」と聞いてみたら、「アナゴの頭です。キロ4ユーロとお買い得でおいしいですよ!」。そのお化けアナゴの頭は10ユーロだったからなんと2キロ半だ。
 さっそく持ち帰り、火がよく通るように頭にところどころ切れ目を入れてから、レモンの搾り汁、オリーブ油を振りかけ、塩、コショウ、タイムなども散らして、180度に目盛りを合わせて熱くなっているオーブンへ。焼いている間に、ピラフを作ったり、マスタード風味のソースを用意したりして40分ちょっと。オーブンから出すと、皮はかりかりっと焼けはじけ、おいしそうな白身がのぞいている。どんとテーブルに出して響宴(きょうえん)の始まり。目の周りの皮やゼラチン質のおいしかったこと!  その上アナゴ特有の小骨もないのがうれしかった。6人分ありました。(真)