美術展の前日か初日には、必ずヴェルニサージュ(オープニング)がある。誰でも行けるギャラリーのものとちがって、美術館のヴェルニサージュには招待客しか入れない。10ユーロ近くする入場料を浮かす方法が、このヴェルニサージュの活用だ。各美術館が郵送する招待状は、その日の決められた時間帯のみ有効で、通常2人まで入れる。招待状をもらえる友人や知人がいたら、ぜひ連れていってもらおう。
招待されるのは、美術展のメセナになった企業で働く人たち、美術関係者、美術館の友の会会員、マスコミ関係者など。一般向けとマスコミ向けを時間帯によって分けたヴェルニサージュと、分けてないヴェルニサージュがある。マスコミ向けは昼間で、時間も短い。一般向けの時のほうが入りやすいが、それでも3時間くらいのところが多いので、あまり遅く行くと、見終わらずに出なければならないハメになる。
カクテル付きを催す豪華な美術館もある。リュクサンブール美術館やジュ・ド・ポームだ。ワインやカナッペが、ヴェルニサージュの後にふるまわれる。こちらのほうが目当ての人もいたりして…。展覧会を企画した学芸員の説明が付くこともあり、ヴェルニサージュの特典は大きい。(羽)