2002年に発売された、モノクロの映画のワンシーンを観るような雰囲気のデビューアルバムで、フランス音楽大賞の最優秀アルバム賞に輝いたヴァンサン・ドレルム。3枚目のアルバム『蜘蛛の刺し傷』以降、日本でも少しずつファンが増えてきたようだ。昨年末には4枚目のスタジオ録音盤「15のシャンソン」がリリースされ、今年の音楽大賞アルバム部門では故アラン・バシュングの「青い石油」と賞を最後まで争ったばかり。今回のアルバムでも陰りのあるボソボソした語り口で歌うピアノの弾き語りと、日常の出来事を映画的に描写する歌はいつものとおり。そして時々ユーモアを交わす彼の歌は、最近リズミカルなものが多くなってきたが、やたらと固有名詞を使いたがる作風が気になる。あの汚らしいボサボサ頭も何とかして欲しい。(南)
2日~4日19h。30.8€(Fnac他)。
Bataclan : 50 bd Voltaire 11e 01.4314.0030