morueはcabillaudと呼ばれる大きなタラを塩漬けにして干したもので、ポルトガル料理やアンティーユ諸島の料理には欠かせない。大きく身が厚いものほど値が張り、キロ10€から15€くらい。身が厚いおなかのところは、塩出ししてから切り身の形で調理。尾の方は、ゆでてから細かくさいてオムレツやコロッケに入れるのがポルトガル流だ。塩出しする前に切り分けるが、骨が太く固いので、店の人に頼むのが無難だろう。余ったものは、紙でくるみ、乾燥したところで保存。
●干ダラの塩出し
干ダラ料理は、まず塩出しから。大きな鍋に皮の方を上にして干ダラを並べ、たっぷりと水を張る。塩出しの時間は、タラの身の厚さ次第で、何回か水をかえながら、薄いもので14時間、3、4センチ近い厚さなら18時間から24時間というところ。塩出ししすぎると風味が飛んでしまう。いちばん薄いところにも塩味が残っているという加減です。ちょっとむしってかじってみるのが一番だ。暑いときは、冷蔵庫や冷たい所で塩出ししたい。時々氷を入れるのも手だ。一度塩出ししてしまうと、保存がきかないので、一人約100グラムから150グラムの目安で計ってから水に漬けること。
●干ダラのオムレツ
ゆでた干ダラが残ったら、ポルトガル風オムレツにしてみよう。分量は4人分です。干ダラはブランダード同様にほぐす。ジャガイモは中3個、やや固めにゆで、大きめのさいの目に切る。玉ネギ1個とニンニク2片はみじん切り。テフロン加工のフライパンにオリーブ油を多めにとり、しばらくジャガイモを炒めたら玉ネギとニンニクを加えてしばらく炒め、割りほぐした卵8個と干ダラを加える。ときどき木のヘラを使って流動状態の卵をフライパンの底に流し込むようにする。弱火で3分焼いたら、オーブンにフライパンごと突っ込んで、上火できれいな色がつくまで焼くだけだ。きざんだパセリをたっぷり散らして食卓へ。グリーンサラダをたっぷり添えれば、一食になってしまう。(実)