牛肉は、〈viande noble〉と呼ばれる、さっと焼くステーキなどに適した部位と、〈bas morceaux〉と呼ばれる長時間かけて煮込むのに適した部位がある。前者は、牛の体の中心部から臀部(でんぶ)にかけてあり、リブロースentrecôte、サーロインfaux-filet、フィレfilet、ランプrumsteckなど。後者は、くび肉collier、肩肉paleron、すね肉gîte、肩ロースmacresuse、上部背肉basses-côtesなど。この上部背肉は煮込みだけでなく、薄く切ってタレに漬けてから焼くと美味だ。すき焼きにもいい。〈bas morceaux〉は、柔らかくなるまで2時間以上火を通さなければならないが、少し多めに煮ておいて、煮直せばさらにうまくなる。(真)