ベリーショートに意志の強そうなはっきりした顔立ちが舞台女優を思わせる画学生のマヌエラさん。一方、ちょっとコワモテだけど、うちとけてくると根っからの人の良さが見えてくるメカ・マニアのケヴィンさん。そんな彼らの肌にひときわ輝くのが、ピアスとタトゥー(入れ墨)だ。腕や背中全体を彩るケヴィンさんのタトゥーは、「ジュエリーみたいに肉体を飾るもの」。「私にとってのピアスはもっと心理的なものよ。はじめは周りを威圧するためだったけど、それは自信のなさからきたのね」。出会いは3年半前の友人宅でのパーティー。「彼とならいつも笑い転げていられそう」、「なんて美しい子なんだろう・・・」と、あっという間に意気投合。
両親の離婚、母や義父との確執に息詰まっていた女子高校生と、アル中で暴力的な父に支配され14歳で学校を中退、ぶらぶらとあてのない日々を過ごしていた少年だった。互いに「うつ病やドラッグと隣り合わせ」の環境を乗りこえて、絶対にへこたれないインディペンデントな生き方を勝ちとってきたという。口元や胸元のピアスの跡は「最近、その必要を感じなくなってきて、少しずつ外していってるのよ」。そんな彼女にとって、タトゥーは愛の証でもある。「彼の名前をきっちりお尻に刻んであるの!」
この9月からセルジー・ポントワーズの美術大学へ進むマヌエラさん。それをきっかけに、二人は本格的な同棲を始める。将来の夢は「アーティストの家庭を作ることよ。大自然の中で、たくさんの子供に囲まれながらの生活。だけど本当の子は一人で十分よ。あとは養子縁組がいいわ。だって自分の身体を傷つけるのはイヤだもの!」。一方ケヴィンさんは、このごろ自分が変わりつつあると自覚している。「急いでいるんだ。若い時はみんな、世界一周旅行や大きな夢を思い描くけど、年とともに忘れていくよね。だから大人になってしまう前に、すべてやっておかなくちゃ」。「私はその旅についていかないけど、きっと帰りを待っているわ」(咲)
ピンクのハート形のカードは、仲直りのしるし。ケンカのたびに破り、仲直りするたびに新しくハートを作り直して、そこに愛の詩を綴るカード。この習慣はつきあって3年以来続いている。
これから相手に期待したいことは?
「彼女は僕の誇り。いつまでも表現者であってほしい」(ケ)
「自分自身でいること。自由であり続けること」(マ)
前回のバカンスは?
「二人でノルマンディーのテクノ・フェスティバルへ」
夢のバカンスは?
「イビザ島で別世界に出会いたい。もしくはスクーターに乗ってアムステルダムへ」(ケ)
「携帯のない世界。大自然の静けさ、太陽の下で休息や読書、周りをニワトリが駆けまわる…」(マ)
二人で出かけたイベントは?
「カップルは一緒にいるべきというルールにとらわれないから、週末は別々に出かけて、翌朝同じ場所に戻ってくるのが習慣よ」(マ)
「彼女はジャズ・マヌーシュ、僕はテクノのソワレだったかな」(ケ)
カップルとしての満足度を5つ星でいうと?
★★★★「完璧はないの。いつも改善する余地があるからね」(マ) 黙ってうなずく(ケ)