6歳になるミラの従姉妹エリザに誕生日プレゼントを送ろうと思い、何が欲しいか電話で聞くと、「”Diddle” か “Pucca” の小物」という返事だった。早速調べてみると、”Diddle” は水森亜土タッチのおとぼけネズミくん、”Pucca” は謎の中国系女の子のキャラクターであることが判明。だが正直言って両方ともあまり可愛いとは思えない。日本のキャラクターの洗練さとは雲泥の差、約20年は遅れをとっている気がした。でもエリザが欲しいならしょうがない。一応 “Diddle” と “Pucca” グッズを買って送った。 その後、ミラもエリザの真似をして、4歳の誕生日に自分も “Diddle” と “Pucca” グッズが欲しいと訴えてきた。私としては、せっかくミラを生粋のアンパンマンファンに育ててきたので内心面白くない。「これは不細工キャラだよ」と、ついつい心の狭いことを言ってしまう。 だが最近、動画サイトyou tubeで「おねがいマイメロディ」という日本のアニメを発見した時のこと。私が子供の時に愛したウサギの〈マイメロディ〉ちゃんが、今どきの子供の趣味にすり寄る形で、物語も配役も物凄い進化を遂げていて驚いたのだ。マーケティング先攻のキャラ作りに大いに失望。そして急に、不器用で素朴なフランスの不細工キャラ群が愛おしく感じられたのだった。やっぱりミラには “Diddle” と “Pucca” グッズを買うとしますか。(瑞)
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●シネマテークへ行こう! 16区のシャイヨー宮地下にあったマニア向けっぽいシネマテークへの思い出はたくさんあるけれど、1年半前に移転。新装開館したベルシーのシネマテークは全体的に明るくて広いし、上映室が4つもあってさらにプログラムが充実したので気に入っている。HPで見たらちょうど〈Marionnette au cinema 映画でのマリオネット〉という子供向けの新しい特集が始まるというので娘と出かけてみた。水曜日の午後2時半、約450席ある一番大きな上映室Henri Langlois(シネマテーク創立者の名前)は子供でいっぱい。子供たちに映画の歴史と素晴らしさを伝えるこんな立派な環境を持つのは、やはり映画の国フランスならでは、とあらためて感心。 特集の皮切りは、チェコ出身の人形アニメ作家イジー・トルンカが1947年につくった、チェコの四季を季節の行事とともに綴っていくオムニバス形式の作品『Annee tcheque チェコの一年(日本未公開)』。木製それとも粘土製だろうか、繊細に動きながら細やかな感情表現をしていく人形にみとれているのは私のような大人だけ? 予告に反して上映は仏語版ではなく原語版、チェコ語が全くわからない子供たちはおしゃべりやふざけあいを始め、その結果なんとも賑やかに上映会が終了した。最後にわき上がった拍手の大半は「終わった!」という安堵と解放感?今の子はやっぱりディズニーなど現代アニメのほうが好きなのかな? わが娘はおとなしく観ていたけれど、疲れたらしく大きな伸びをしていた。その後上階にある映画博物館の常設展へ。動画や映画誕生の歴史を語る機械やオブジェ、きらびやかな衣装、そして上映映像に娘の目が輝いていた。(海) La Cinematheque francaise-Musee du cinema : 51 rue de Bercy 12e 01.7119.3333 |
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