いろんな職業に携わる人たちシリーズ第一弾(N。590)は、パリ11区を受け持っている郵便配達夫ディディエさんだったが、第二弾は肉屋のレジスさんにアプローチ。
フランス人は、牛肉、子牛肉、豚肉、羊肉、ウサギ肉、さまざまな鳥肉…と肉が大好きな国民だから、狂牛騒ぎはもうひと昔のごとく、どの街に行っても、肉屋さんは前の活況を呈している。レジスさんの店は、17区、バティニョルの公園も近いモワーヌ通りにある。清潔な店内には、それぞれの部位ごとに切り分けられた各種の肉や、ソーセージ、生ハムなどが、客たちの目を引くように美しく陳列されている。レジスさんの一日は、6時15分に店のシャッターを開け、冷蔵庫から肉の塊を取り出して切りさばくことから始まる。鋭い包丁を使うだけにケガがつきものというその苦労を、垣間見させてもらった。
文:渡辺公三、仲野麻紀 / 写真:仲野麻紀