幼いころ養子として我が家にやってきた兄貴の婚礼に、ベトナムから実母が参列する。えっ、父母はとっくの昔に離婚し、家庭が崩壊状態にあることを兄貴は実母に伝えていないって!? どうしよう…。 とにかく主人公を含むスイス人家庭は、ちぐはぐでも数日間「楽しい我が家」の再現を試みる。ぎくしゃくした家族関係を映し出す傍らで、家族ひとりひとりが主人公の質問に素直に答えていくシーンでは、監督ジャン=ステファン・ブロンの技が光る。自身を、そして家族を冷静に見据えることを忘れ、感情任せの言動を日々とってはいないだろうか? と私自身の行動を省みる。(海) |
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