今年で5回目を迎える舞踊と音楽のフェスティバル。1カ月半の間、20回以上のダンスとコンサート、そして展覧会が常時催される。フランスに滞在する日本人による舞踏、そして日本からの舞踏団による新作発表。照明、衣装、演出などすべて日仏スタッフの共同作業だ。 フェスティバルの後半11月には、パリ在住の邦楽演奏家やクラシック音楽家のコンサートが企画されている。琴、三味線、尺八など日本の伝統楽器を演奏できる在仏日本人は少ないが、なかでも太鼓を演奏できるミュージシャンは、久保田まりこさん一人しかいない。長年、東京神田の大江戸助六太鼓のメンバーとして、ヨーロッパなど海外公演に参加。縁があって、パリでの生活が始まり、今では、フランス人向けに太鼓教室やデモンストレーションも定期的に行っている。11月23日には、琴奏者二人との共演。箏曲に太鼓が加わるという初めての試みだ。11月26日には、尺八を日本で学び、教授としてフランスの音楽学校で尺八も教えているヴェロニック・ピロンによるリサイタルも予定されている。(尚) |
Espace Culturel Bertin Poiree : |
●裕イサオ・佐藤真 「ピアノは、メロディーが絡むとハーモニー体系がどっと流れ込み、がっちり額縁付という感じになってしまう。既成曲をフリー風にも面倒だし、初めからゼロでないと面白くない。ピアニストのくせに、最初にリズムありき。曲の調性は、もう、なくても構わない」と語るピアニスト、裕イサオの強靱な即興演奏。共演はドラムスの佐藤真。 |
22日/23h30。10€。 Atelier Tampon : 14 rue Jules Valles 11e 01.4373.5346 M。 Charonne |
★★Agnes Bihl 数カ月前、パリの地下鉄でひときわ眼を引いた、舌を突き出したお転婆娘のカラフルなポスターを覚えている人も少なくないだろう。 新進女性歌手のアニエス・ビルは、ブロンドの髪でどこか若いころのフランス・ギャルに似た元気なステージを楽しませてくれる。けれど彼女の歌はフレンチポップスではなく、自作の詩を歌うれっきとした伝統派シャンソン。今回の公演は天井が高くて奥行きのあるルナール劇場。前回の公演では、ブランコをこいだり、ウエディングドレス姿で歌ったりの大熱演だった。2枚目のアルバム “Merci maman, Merci papa” もリリースされた。(南) |
11月5日迄(火-土)/21h。15.5L。 Theatre du Renard: 12 rue du Renard 4e 01.4271.4650 M。Hotel de Ville |