決勝進出を果たしたもののメダル獲得がならなかった、100メートルハードルのパトリシア・ジラール選手(35)、女子100メートルのクリスティーヌ・アロン選手(29)、女子200メートルのミュリエル・ユルティス選手(24)。3人の400メートルリレーにかける意気込みは、もう一人のランナー、シルヴィアンヌ・フェリックス選手(25)にも伝わった。4人は、スタッド・ド・フランスを埋めた6万人近い観客の応援を浴びながら、米国チームを押さえ、フランス新記録で初優勝。
「勝てばフランス人扱いされるけれど、負ければアンティル諸島出身者」とアロン選手は数年前にこぼしていたが、4人ともグアドループ島あるいはマルティニク島出身の両親を持つ。各ランナーのスピードだけに頼る米国チームとは違い、バトンタッチなど、チーム全体の技術向上に力を入れていたフランスチームに軍配が上がった。
これで、各都市の陸上クラブに入る若者の数が倍増するに違いない。アテネ五輪が楽しみになった。(真)
左から、アロン、フェリックス、ジラール、ユルティス。
“Quand on gagne, on est français,
quand on perd, on est antillais.”
(クリスティーヌ・アロン選手)