アフリカ大陸の西側の一番でっぱっている所にある、セネガルとギニアに挟まれた小国、ギニアビサウからやって来たご機嫌なミュージカル映画『Nha Fala 私の声』を大推薦! お話はシンプル。町の人気者で、ヴィタという名のそれはそれは美しい娘が、パリに留学することになる。旅立ちの前に母は娘に「絶対に歌ってはならぬ」と念を押す。この家では先祖代々唄を歌った女性は死ぬという言い伝えがあるからだ。しかしヴィタがパリで恋に落ちた相手はミュージシャン。彼女が母の言いつけを破るのは時間の問題。彼女の美しい歌声は早速ベストセラーCDを生んでしまう。母がこれを聞いたら!…ヴィタは母を気遣い、恋人のピエールを伴い国に帰る。そこで彼女は、言い伝えを逆手にとって自分の葬式を敢行するのだった。そこで歌われる唄は「Osez! 勇気をもって立ち向かえ!」…因習や迷信から自分を解放しようではないか! と力強く歌いかける。 音楽とアフリカは切り離せない。悦びも哀しみも感情はすべて、メロディーとリズムに乗って伝えられる。監督のフローラ・ゴメスは「ネガティヴなイメージばかりを与えるアフリカだが、ここには実は凄いバイタリティーがあるんだってことをオプティミスティックに表現したかった」という。その手段としてお得意の音楽をフルに使って、狙いは大成功! 音楽を担当したのは、マニュ・ディバンゴ(アフロ・サックス、ソウル・マコッサで有名)。主演のヴィタを演じるのはファトゥー・ンディアイェ。撮影はギニアビサウの沖合にある島国、カーボベルデで行われた。西洋と地元の文化が混じり合った風光明媚な所(両国とも元ポルトガル領)。それにしても本当にあんなに愉快な棺で死者を送るの !?(吉) |
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