「ジネディンにボールを持たせたら、本当に魔術師だ。フランスは世界一のプレーヤーを持っている。感じのいい男で、まわりに耳を傾け、よく見ている」と讃えるのは、サッカー欧州選手権で優勝したフランスチームのロジェ・ルメール監督。1998年のW杯決勝で2点を上げ、優勝の立役者となったジネディン・ジダン (28) は、今回の欧州選手権でも、華麗なボールさばきと、これ以上のタイミングはないというパスの数々…準々決勝では往年のプラティニ (同じ背番号10) を思わせるみごとなプレースキックを決めた。 父親はアルジェリアのカビール地方出身の移民労働者で、マルセイユ郊外の団地で生まれた。13歳から親元を離れサッカークラブで鍛えられる。最初のサッカーシューズは、父親が1年間貯金して買ってくれたという。これだけ脚光を浴びても、無口で心優しそうなジダンさんは、「ジズー、ジズー」と、今いちばんフランス人に愛されている英雄だ。(真) |
“Zinedine, quand il a le ballon, franchement, c’est assez magique. La France a le meilleur joueur du monde (…) c’est un type délicieux, qui écoute, qui regarde(…).” |