マンゴーを使ってクランブルを作ってみた。 Crumble aux mangues

 マンゴーは中華・ベトナム食品店で買うことにしている。彼らの好きなマンゴーは繊維がほとんどなく、口の中でとろけそうだ。暑くなってくると、そのマンゴーがますますおいしくなり、値段もどんどん安くなってくる (キロ20フラン以下)。親指で押してみて、軽く弾力性があるものが食べごろだ。
 英国風デザートのクランブルというと、リンゴというのがきまりだが、いろいろな季節の果物を使って、変わりクランブルを作ってみたい。今だったらモモ、アプリコット、それに、このマンゴー。
 マンゴーは種が大きいので、1キロ半ほどほしい。右の欄に従ってさばいて、大きな角切りにする。あまり小さく切ると、火を通している間に水気が出やすく、でき上がりがジャムのようになって歯ざわりがなくなってしまう。これを深めの天火皿に入れ、cassonadeと呼ばれるサトウキビから作られる赤砂糖大サジ2杯をふりかける。
 オーブンの目盛りを6 (200度) に合わせて点火しておく。小麦粉200グラムを大きなボールにとる。白砂糖125グラムと、味を引き立たせる塩ふたつまみも加えて混ぜ合わせる。冷蔵庫から出したばかりのバター125グラムを小さく切って加え、指先で小麦粉や砂糖と混ぜ合わせながらそぼろ状にしていく。バターが柔らかくなりすぎて大きなかたまりになったりしたら、冷蔵庫に戻して冷やしてから、ふたたび指先でほぐしながらそぼろ状を目指すことにしたい。
 このそぼろでマンゴーを均等に覆い、熱くなっているオーブンへ。20分経ったら目盛りを4 (180度) に落として、さらに20分から25分、表面に軽く焼き色がついてきたらでき上がりだ。バター風味のカリッとした皮の香ばしさと、マンゴーのトロピカルな甘みが口の中でひとつになるときの幸福感! (真) 

台所の本
●磯川まどか「フロマージュ」

 チーズの本というと文芸春秋編の「チーズ図鑑」が決定版だったが、日本に生乳チーズを普及させることに努めている磯川まどかさんのこの一冊は、強力な競争相手になりそうだ。写真の鮮明さでは「チーズ図鑑」に一歩譲るが、ひとつひとつのチーズについての記述が詳しいし、本当にチーズを知り尽くした人ならではの視点が感じられる。それもそのはず、著者はパリのチーズ料理専門店「アンドルウエ」で修業し、同店の元オーナーでチーズの権威、ピエール・アンドルエ氏にこの本の監修を依頼したというから、なーるほど。30品あまりのチーズ料理のレシピが載っているのもうれしい。

*柴田書店発行 3000円


● マンゴー mangue

 マンゴーは、アフリカ、インド、中華・ベトナム、それぞれの食品店によって、大きさだけでなく、形も細長かったりまん丸に近かったり、繊維だらけだったり。まったくなかったりと、異なっている。緑色の皮に黄色、オレンジ色が半々くらいに混じり、指で押すと軽く弾力があるくらいの熟し加減のものがうまいが、通は、皮はすっかりオレンジ色になってシワがより始めた完熟ものをしゃぶるのがいちばんだという。

 切り方は、まずみっつに横割りにする (図1)。包丁の先で皮を切らないように碁盤目を入れる(図2)。これをひっくり返すようにすれば、中華レストランで出てくるハリネズミ風マンゴー(図3) になる。種の部分についているおいしい身も切り出して添えることにしよう。大勢で食べるときは、(図1)のあとで、スイカのごとく切り分けるのもいい(図4)。左のレシピのように大きな角切りにするときは、スイカ風にした後、切れ目を入れてから皮から切り離す。

ハーブ・スパイス探検
●menthe
 ミント (ハッカ) の葉の爽やかな香りは、暑くなってくるとありがたい。細かく刻んでから、小さく切ったトマトやキュウリと一緒にクスクスの粒に混ぜ込めば、中近東のサラダ、タブレ。小さな春巻きをレタスで巻いて食べるときも、ミントの葉がアクセントになる。フルーツ・サラダに少量加えるのもおすすめだ。細く切ったミントの葉を少々薄めたビネガーに漬け、砂糖、塩、コショウで味を調えれば、英国人が子羊のローストにお供させるミント・ソース。ティーポットに多めにミントの葉を入れ、熱湯を注いで香りを出やすくしたら、その熱湯を捨て、緑茶を適量加えて、新たに熱湯を注げば、マグレブの人が大好きなミント・ティーのでき上がり。彼らは砂糖をたっぷり加え、フーフーいいながら飲む。