OVNI 416 : 1998/5/15 N° 416 1998-05-15 ■ エイズの治療に希望 エイズ患者の治療に携わっている病院の全国調査によれば、1995年と比較すると患者の入院日数が半減し、死亡者数が70%減になったことが明らかになった。多剤併用の効果があがっていることと、HIV感染者の早期治療が行き渡ってきたことがその理由とみられている。なおフランスのHIV感染者は推定12万人。 ■ フランスが奴隷制度を廃止して150年 二月革命で共和政にもどった1848年4月27日、植民地省次官ヴィクトール・シェルシェールなどの尽力で奴隷制度廃止令が発布された。その150周年を祝いフランス各地で記念行事。奴隷としてアフリカから連れられてきた人たちの子孫が住んでいるアンチーユ諸島などでは、この人間性を否定した制度の実態を知らせる努力が皆無であったという批判が強い。 ■ O 嬢死す ポーリーヌ・レアージュという匿名で1954年に発行された「O嬢の物語」は、マンディアルグなどに絶賛され、フランスのエロチシズム文学の古典となった。20カ国語以上に翻訳され、74年にはジュスト・ジャカンによって映画化 (駄作!)。94年になって、その著者であることを認めたドミニック・オーリーが、4月27日未明死去。彼女は90歳だった。 ■ アステリックスにも見放される? 「世界で一番馬鹿な保守にウンザリ?私たちも!!! 今や団結の時」という一大キャンペーンを繰り広げようとしたRPR (共和国連合)のフィリップ・セガン総裁は、ポスターにフランスの国民的漫画 “アステリックス” の一シーンを使用。4月28日、作家のウデルゾ氏は「アステリックスは保守にも革新にも貸しません」と表明し、セガン氏の迷案は中止になった。 ■ ロラン・デュマ憲法評議会議長ピンチ 4月29日、エルフ疑惑の捜査を担当しているエヴァ・ジョリ予審判事らは、ジロンド県で療養中のロラン・デュマ元外相宅に赴き、収賄の被疑者として取り調べの対象であることを通告した。保釈金の額は500万フラン。彼は、法律や条約の合憲性を審査する憲法評議会の議長であり、保守から辞任勧告の声があがっている。 ■ コローの作品盗まれる 5月3日の昼過ぎ、混み合っているルーヴル美術館でコロー作の「セーヴルの道」が切り取られ盗まれる。館内にいた1万人近くの見物客は夕方にかけて厳重なチェックを受けたが、作品は見つからなかった。ビデオカメラによる監視が行き届かない奥まったところに展示されていたため、今のところ手がかりゼロ。 ■ 失業率下がる 政府の発表によれば3月は失業率が1.2%減少し (この1年で3.2%減)、失業者数が300万人の大台を割った。ジョスパン首相は “heureux” 。 ■トゥーロンで FN党候補やぶれる 5月3日トゥーロンでの国民議会議員補欠選挙で、社会党のオデット・カザノヴァ候補は、第1回投票で優位に立っていた国民戦線FN党のサンドリーヌ・ルシュヴァリエ候補を33票の差でやぶって当選。ルシュヴァリエ氏は、選挙法違反で国民議会議員の座を失った夫、ジャン=マリ・ルシュヴァリエ市長の代役として立候補していた。これで国民議会から極右FN党の議員は姿を消すことになった。 ■ RC Lens がチャンピオン! 5月9日、RC ランスは、オセールと引き分け、初めて仏サッカーリーグのチャンピオンになった。ランスはパ・ド・カレ県にある小さな町で、炭鉱廃山後は高い失業率に苦しんでいただけに、住民3万5000人の喜びはひとしお。最後まで試合を棄てず攻撃に徹した試合振り (得点数 55はリーグでトップ) が絶賛された。 Share on : Recommandé:おすすめ記事 11月21日の国鉄スト情報。 中学校教員殺害事件の公判が始まる。 前代未聞の〈マザン事件〉裁判始まる。 トラン・トゥ・ニャーさんの闘い − フランスで枯葉剤訴訟。 人気コメディアンの解雇と、揺れるメディアの自由。 広島・長崎の原爆語り継ぐ4日間、トゥールで開催。