■ MOZARTEMENT VOTRE 侯爵夫人の館で行われる演奏会のためのリハーサルに集まった弦楽カルテットの4人だが、同じ小節でつっかえているうちに、互いのライバル意識がむきだしになり、リハーサルどころではなくなってしまう。 スイスで創作されたこの芝居は、チェロ奏者のモーリス・バケなしでは始まらない。現在86才のバケは、演奏者、役者として数々のコンサート、芝居、映画作品に出演しているが、かつてはスキー選手としてフランスを代表した人物でもある (ロベール・ドアノーが撮った写真が劇場に飾られている)。 演奏家というよりは近所のカフェのカウンターで赤ワインを一杯ひっかけている好々爺、といった風貌のバケが姿を見せるだけで会場が暖かくなるのは、やはり彼の人柄と音楽に対する愛情が舞台を包んでしまうからに違いない。共演する若いバイオリニストたちも、ユーモアたっぷりのバケに調子を合わせ、息のあった演技を見せてくれる。 第二部は侯爵夫人館での演奏会本番だ。モーツァルトの弦楽四重奏曲の傑作『狩り』が聴け、演劇と演奏会が一緒になったおもしろい試みになっている。原作はエリック・ウェストファル、 演出はジャン=フィリップ・ヴァイス。 (海) *Theatre du Renard : 12 rue du
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◆Stefano di Battista イタリアのジャズ界の新鋭ステファーノ・ディ・バティスタは、昨年”VOLARE”というCDを出して注目された。”イタリアのアート・ペッパー”とあだ名したくなるくらいに歌心がこもったアルトサックスのサウンドに魅せられて、フランスでファンが急増中。今回のクインテットには、CDでも息の合ったプレイを聴かせてくれたトランペット奏者フラーヴィオ・ボルトロが参加。 25日、27日、28日/22h前後、80F。 *Sunset : 60 rue des Lombards 1er 01.4026.2125 Metro : Creteil – Prefecture |
◆ Haendel / Giulio Cesare ヘンデルは古典世界の英雄を主人公にした歌劇を40曲以上も書いたが、中でもこの「ジュリアス・シーザー」は傑作のひとつ。すでに全曲録音盤を出しているルネ・ヤーコブスの指揮、コンチェルト・ケルンの演奏による公演 (残念ながらコンサート形式) が聴き逃せない。ソリストは、やはりCDでも歌っているベルナルダ・フィンク、ジェニファー・ラルモーレなど。 24日/20h、140F/200F。 *Cite de la Musique : 221 Av. Jean-Jaures 19e M。: Porte de Pantin 01.4484.4545 |