OVNI 409 : 1998/2/1 N° 409 1998-02-01 ■葬儀市場を完全自由化 1905年以来自治体直営だった葬儀を1993年の改正法により1/10日から自由化。従来14,350業者(民間11,385、 公営2,970)の間で1~5倍の価格の差があったため、自由化により料金の明朗化を計り自治体との癒着を避ける。パリ市は合弁会社 SEM社を設立し市場(97:18,000件) の1/4の獲得を目指す。最近は埋葬(約26,000F)に対し火葬(約16,000F)が増える傾向(12%)。 ■ユダヤ人財産資料が焼失 97/8/19日ルアーヴル埠頭にある、銀行関係文書を保管する貸倉庫の火災で、フランス銀行を始め大手銀行・証券会社の戦前の資料が焼失。中には41~44年、国有財産行政庁がユダヤ人から接収した株券の販売を証券会社に指示した文書類も。同火災は放火による疑いが強まり、1/15日ルアーヴル検察庁は予審調査を開始。 ■ジョスパン首相の失言 1/14日、国民議会でジョスパン首相が「1848年フランスでの奴隷制廃止は左翼の闘いの成果で、1898年のドレフュス事件でもドレフュスを支持したのは左翼」と、当時の社会を単純に二分したものだから、野党議員らが怒り退席。が、首相はピンとこず。歴史家達は、左翼による奴隷制廃止の根拠はなく、ドレフュス事件でも左翼政治家が支持を表明したのはだいぶたってから、と首相の短絡意見に反対。野党席から「首相としてゼロ!」「失業問題でストレス?」「辞任!」と罵声が飛ぶ。15日、首相は遺憾の意を表わす。 ■ “Instit”と”Prof”の差別反対スト 同じカリキュラムにもかかわらず幼稚園・小学校の教員(instituteur)と、89年以降、2年制の教員養成大学院(IUFM)を出た正規教師(professeur)との給与に1200F~3000Fの差があり、新米の教師の方が10年歴の教員より高額所得。試験で毎年約12,000人の教員が教師に昇格しているが、待遇の二重構造に我慢ならない教員達が、1/20日ストライキとデモ。 ■「ヤンヌ・ピア事件」著者に罰金 著書「ヤンヌ・ピア事件」中、ゴダン・マルセイユ市長をピア議員殺害事件(94/2/25)の首謀者に仕立てたルジョ、ベルヌ2記者とフラマリオン出版社に、1/20日マルセイユ裁は各々20万フランの罰金と、両著者にはゴダン氏への損害賠償金30万フラン の支払い命令。同書でやはり首謀者に仕立てられたレオタール元国防相提訴の裁判は 2/11、18日。 ■ジョスパン、手当て引上げに「ノン」 1/20日、国会で首相は「330万人余りの各種手当ての1500Fの引上げと25歳未満へのRMI 支給のために、 700億フランの増税は不可能。最低給与SMICと手当て受給者の関係は壊せない」と言明。 ■南アルプスの雪崩で11人死亡 1/23日シャトルー山でのスキー合宿でモンティニー・ル・ブルトヌー( イヴリーヌ県)のカトリック系私立中学校の3 年生26人と教師・指導員6人がスノーラケットで山歩きの途中、雪崩に合い、生徒9人、教師1人、指導員1人死亡。同日朝、雪崩の危険度は4だったが、 専門ガイドは”冒険希望者”を募る。26日、危険を無視した疑いで同ガイドを送検。 ■35時間制法案を下院で討議 1/27日、ジョスパン政府が命運をかける35H制法案の下院討議開始。20名以上の企業は2000年から、それ未満の企業は2002年から施行。98年から実施する企業には社員1人当り年9000F、2年目は5000Fの補助金付き。保守野党側は500近い修正案で持久戦の構え。 ★トルコがイスラム福祉党解散命令 1/16日トルコ憲法院は、政教分離に反するとしイスラム福祉党(RP)に解散命令、エルバカン党首他、指導者5人に5年間政治活動を禁止。95年総選挙でRPは158席を獲得しエ党首が首相に就任したが軍部の圧力で97年に辞任。 ■ガロディ裁判 元レジスタンス、マルクシスト、カトリックから回教徒に改宗した哲学者ロジェ・ガロディ氏(84)が95年出版の著書「イスラエル政治創立の神話」の中で述べた、「シオニストとイスラエル国家に有利なホロコースト神話説」に対し、ユダヤ人犠牲者協会等が提訴。1/8日パリ地方裁は、「人類に反する犯罪への異議申立ての共犯」と「人種差別・憎悪・暴力への挑発」の疑いでガロディ氏を裁く Share on : Recommandé:おすすめ記事 11月21日の国鉄スト情報。 中学校教員殺害事件の公判が始まる。 前代未聞の〈マザン事件〉裁判始まる。 トラン・トゥ・ニャーさんの闘い − フランスで枯葉剤訴訟。 人気コメディアンの解雇と、揺れるメディアの自由。 広島・長崎の原爆語り継ぐ4日間、トゥールで開催。