前号ではgelatoに触れたが、今度は”glace”。 誰もが知っている大御所 Berthillon は不動の地位を保っている。ところが最近、独創的かつ実験的なフレーバーで「自分たちにしかつくれない味」を追求する店が増えている。
この夏オープンしたばかりの Une glace à Parisは、アイスクリームのMOFである エマニュエル・リオンとピエール・エルメで修業を積んだパティシエの オリヴィエ・メナールが手を組んだ。となればその完成度の高さは容易に想像がつくだろう。最高級の技術、そして原産地にこだわった材料で生み出されるフレーバー(1種3.8€/2種5.2€/3種6.5€)はどれも魅力的。オレンジの花の香りが優雅でオリエンタルなpistache néroli、蕎麦の風味がやさしく香ばしいsarrasin amande nougatine、香り高いメキシコ産バニラ、orange carotte gingembreや melon mentheのシャーベットなど、その風味のバランスは繊細で、さすがの一言に尽きる。
La tropicale は、前者のような華々しい肩書きこそないものの、アイス好きが集結し「こどもの遊び」のように「アトリエ」で日々新しい味を生み出している、という言葉が示すように、そのフレーバーはどれも斬新で興味をひく。唐辛子の香り漂うyuzu espeletteやハチミツが濃厚な miel pignon、ほんのりアルコールのきいた batida de coco、ガスパチョを思わせる tomate basilicなど、その数は30種を越える(1種3€/2種5€/3種7€)。ほどよい 0.25リットルのお持ち帰りパック (7€)も便利でおすすめ。(み)
Une glace à Paris :
15 rue Ste-Croix de la Bretonnerie 4e 01.4996.9833
月~日 11h30-23h30(金土-00h30) 無休 M° Hôtel de Ville
La tropicale :
180 bd Vincent Auriol 13e 01.4216.8727
月~金 12h-19h30/土日 15h-20h 無休 M° Place d’Italie