「もうすぐ夏休みだから」と、あまり無理はしなさるな。今年の春はトゥーレーヌ保健相が拒食症のモデルたちの就業禁止を打ち出したことだし、少しは気楽にいこうじゃないか。それでもやっぱり、悩んでいるのなら、先月24日にフランス中南部の地方紙『ヌーヴェル・リピュブリック』のネット版に載っていた今年のミス・ポワトゥ=シャラント、エミリーさんの写真を見るといい。32歳の銀行員で2児の母。見ている方まで嬉しくなってしまうような、快活な笑顔ではないか!ミスコンといってもただのミスコンじゃない。豊満な女性の美しさを競う「Miss Ronde」コンテストさ。今年で8回目を迎えるこのイベント、出場条件は16歳以上、体重が「自分の身長マイナス94キロ以上」の女性なら誰でも参加できる。前回の優勝者はレユニオン島出身の35歳の教師。エントリー2万人、予選出場者2千人の中を勝ち抜いてきたというのだから、かなりの狭き門だ。
いや、なにも参加しろなんて言っていないさ。
でも、この「Miss Ronde」コンテストの公式サイトによると、世界の女性のうちサイズ<40>の服を着られるのはわずか18.6%に過ぎないらしい。35歳以上のフランス女性の半数は、体重過剰だともいう。もしこれが真実なら、6−7月の女性たちは、とんだ「無い物ねだり」をしていることになる。それを「危険だ」といったトゥーレーヌ保健相の言葉も一理ある。美しさというのは多様なもの。やつれたバービー人形なんかより、ふくよかな弁財天のほうが美しい。さあ、眉間に皺を寄せていないで、早くしないと、そのアイス、溶けてしまうよ。(浩)