原子力アレヴァは3月4日、48億ユーロに上る2014年度の純損失を計上したと発表した。売上は8%減の83億ユーロ、営業損失は26億ユーロだが、フィンランドでの欧州加圧水型炉(EPR)建設の遅れに伴う引当金や資産価値下落のために48億ユーロの空前の純損失に。受注額は469億ユーロと順調であるにもかかわらず、納品や支払いの遅れなどで借金は58億ユーロ。経営陣は、17年までに10億ユーロの経費節減、子会社の売却で10億ユーロの現金確保などに言及しているが、より詳細な財務再建計画は7月末に明らかにされる。
11年の福島原発事故による世界的な原発市場の冷え込みに加え、事業拡大戦略にミスがあったと指摘されている。アレヴァ株87%を有する国としては、今後は非戦略的事業を整理し、原子炉の価格を抑えるために主要顧客、仏電力公社(EDF)との提携を強めることを要請している。また、45 300人(うち国内3万人)の社員を抱えるアレヴァは、解雇なしで15%の人員削減を計画している。(し)