2月初めには、ピークの寒さがあったりする。そんな時、ちょっとくらい健康に悪くても脂っこいものが食べたくなる。そこでラードの登場、といっても、フランス語のlard grasは、ラードをとり出す前の豚の背脂のことだ。英語では背脂もラードもlardだが、フランス語でラードはsaindouxとなる。ところでこのsaindoux、以前はバターのようにパッケジされて市販されていたのだが、最近はほとんど手に入らない。じっくりラードで炒めて、そのうま味が移ったチャーハンが食べたくなったら、豚肉屋charcutierに出かけてlard gras を好きな量だけ買ってくればいいのだ。キロ10€前後。皮と肉の間の脂だが、厚さ7、8センチはある。今回の煮込み料理のように、予め肉を炒める時に、このlard grasを使うとコクが違う。ココット鍋に、5ミリくらいの厚さに切ったlard gras を3枚ほど入れ、弱火にかけると、どんどん溶けた脂がにじみ出てくる。あとは薄くカリカリになってしまうのだが、これが美味。(真)