Assis sur la fleur
Le bouddha qui nous regarde
On dirait qu’il vole
花に座し
見守る仏
空を飛び
ヴィヨン、ランボー、エリュアール。彼らが生きた詩の都、パリの町にも春がきた。『Printemps des Poètes(詩人の春)』を筆頭に、詩をメインにしたイベントがあちらこちらで花開き、みんなの興味をかき立てる。
言の葉も若葉も萌(も)える季節には、俳句に挑む児童らが、詩情の種を探しつつ、博物館を駆けめぐる。
文字で読むのもいいけれど、耳で聞くのも心地よい。50年間、絶え間なく名詩が響く老舗の店でも、巷(ちまた)のバーの「スラム」でも、観客たちを前にして、若い詩人は今夜も、新たな歌をつむぎだす。
寺山修司の『書を捨てよ、町に出よ』ではないけれど、本を読むのはやめにして、今も脈打つ詩人の血、息吹きをもとめ町に出た。(康)