そろそろ野禽(やきん)gibierのシーズンが始まる。 市販されているカモの胸肉magret de canardのカモは、野生ではなく、フォワグラ用に丸まると太らされてしまったカモ。野生でなくとも、秋が深まってくるにつれ脂がのっておいしくなる。皮の下の脂肪がとても厚いから、始めから皮ごととってから調理するのも手だし、あるいは皮によく切れる包丁で深めに格子目を入れたら、まず皮の方からフライパンで焼いていくのもいい。火は弱火。じっくりと脂を溶け出させ、皮にきれいな焼き色が付いたらひっくり返し、もう5、6分したら取り出し、アルミホイルに数分包んでおいてから、薄く切り分ける。
カモには甘酸っぱいソースが合う。イチジクやナシなど、季節の野菜をうまく使って、ハチミツ少々を加えたりしながら。ソースを工夫したい。しょう油とバルサミコ酢を混ぜ合わせたタレに漬けてから、焼くとこれもうまい。(真)