6月29日付の独誌「シュピーゲル」が、米国家安全保障局(NSA)が欧州連合(EU)をスパイしていたと報じ、物議をかもしている。元米中央情報局(CIA)職員エドワード・スノーデン氏がもたらしたNSAの2010年9月の機密情報を根拠に、米国がワシントンのEU事務所や国連事務所、ブリュッセルのEU理事会本部などの電話や電子メールを盗聴・傍受していたと報じた。また、米と親密な英国などは除き、ドイツ、フランスなど30カ国でも政府関係者のスパイが行われていたという。シュルツ欧州議会議長が「重大なスキャンダル」としたほか、独仏両政府も米連邦政府に説明を求め、米=EU間の外交問題に発展している。ただし、独誌は7日、スノーデン氏の話として、NSAが欧州諸国と結託しているとも報道。一方、フランスの国外安全総局(DGSE)も国民の通話やインターネットを傍受し違法に情報を保存しているとルモンド紙7月4日付が報じたのに対し、政府は法の範囲内で行っていると反論した。