5月23日付レゼゴー紙が報じたところによると、国が資金援助した映画製作の際に外国企業のサービスや資材の使用制限を禁止する規則を欧州委員会が4月末に加盟国に打診した。これに対し、フランスをはじめドイツ、ベルギー、スペインなどは反対している。とくに映画産業保護策に力を入れるフランスでは、公的援助を少しでも受けると、製作費の80%を国内で消費しなければならず、それが撮影、照明、編集などの国内映画関連産業の維持に貢献している。国立映画映像センター(CNC)がフランス映画と認定した2011年製作の207本のうち131本がCNCの援助(計5000万ユーロ)を受けており、国内映画産業の雇用は70万人にも上る。しかし、欧州委は昨年秋から、欧州連合(EU)域内の自由競争原則を根拠に、そうした保護主義を撤廃する改革を検討しており、反対国との折衝を進めてきた。今回、欧州委は国内製作の原則については譲歩しながらも、外国企業を締め出すことを禁止する点は譲れないという強い態度をとっている。最終的な決定は今夏とのことだが、フランスの映画産業界は強い不安を抱いているようだ。(し)