現在、フランスにおけるマンガの売り上げでは、尾田栄一郎の『ワンピース』、真島ヒロの『FAIRY TAIL』、岸本斉史の『NARUTO』などが上位を占めている。またフランスの芸術家の間でもファンが多い谷口ジローは、芸術文化勲章〈シュヴァリエ〉を受章し、日本人漫画家の安定した活躍ぶりを実感させられた。今回はEspace Japonのジェレミー先生に、日本の漫画を発見するために、避けては通れない3作品をコメントとともに推薦してもらった。
①Osamu Tezuka «Phénix»
手塚治虫のライフワークと目される、未完の大長編『火の鳥』。マンガを語るのに、手塚作品を外すのは不可能だ。マンガの「神」による、あまりに壮大な古典的傑作。
②Akira Toriyama «Dr. Slump»
『ドラゴンボール』の鳥山明は、フランスでも非常に人気が高く、昨年はアングレーム国際漫画祭でも特別賞を受賞したばかり。人間型ロボットの眼鏡娘アラレちゃんが活躍する『Dr. スランプ』は、面白さというものが玉手箱のように詰まった鳥山の初期の代表作。新世代の人気漫画家は、鳥山の仕事に負うところが大きいだろう。
③Katsuhiro Otomo «AKIRA»
90年代初頭にマンガの欧米進出の足がかりとなった大友克洋の『AKIRA』は、近未来SFコミックの金字塔。映画版も完成度が高く、製作から四半世紀を経た現在も、大人もうならす傑作アニメとして輝きを放ち続ける。
Ed. Glénat 10.75€
Ed. Glénat 15.5€