埼玉県で生まれ育った在日韓国人のチヨンさんと、パリ生まれ、南仏育ちのステファンさんが出会ったのは2011年の春。桜が咲くソー公園だった。日本人ばかりのお花見に呼ばれてやってきたものの、参加者のひとりひとりが順番に自己紹介したりするような、フランス人のフェットではあり得ない雰囲気にステファンさんはびっくりしたそう。でも、この少々ぎこちないお花見の帰り道に、チヨンさんとステファンさんはすっかり意気投合。シャトレ駅構内の長い動く歩道の手すりに乗っかりふざけるステファンさんに、チヨンさんも負けじと参加。そんなチヨンさんを見て、ステファンさんは「この女の子とは気が合いそう」と直感した。
それから順調に付き合い始めたふたりの距離がぐっと縮まったのは、今年のバレンタインデー。日本に2週間ほど一時帰国をしていたチヨンさんとその日再会したステファンさんは、彼女の姿を見るなり、感極まって涙を流してしまった。そのあと、チヨンさんが受け取ったのは、きれいなバラの花束。そして、手づくりのチョコレートケーキとクレープ。いつもは料理をしないステファンさんが、パン職人の弟から習ってつくった苦心の作だった。チョコレートケーキはすっかり溶けてしまって、ケーキに描かれていた顔もべとべとに溶けていたけれど、そんな彼の気持ちにチヨンさんは感動。そして、とどめは指輪のプレゼント…!
ともに2010年にパリに到着した二人。チヨンさんは学生として、ステファンさんは美容師としてパリでの生活を楽しんでいる。もともとヨーロッパの洋服や靴に興味があったチヨンさんだけれど、今関心があるのは、モードというよりも、パリの人々のライフスタイルだそう。今は、フランス語の勉強のかたわらパン屋で働き、フランスでの社会経験を積んでいる。「ふたりを象徴するモノは?」と聞いたら、「ダジャレみたいで恥ずかしいけど、バゲットと、お箸(フランス語で「バゲット」)」。日本で暮らしたこともある、日本通のステファンさん。でも、食文化の違いが原因でケンカすることもあるそう。「お茶碗にご飯粒を残されるとショックです」と言いながらも、お箸をちゃんと2セット出したチヨンさんが、なんだか可愛らしかった。(さ)
これから相手に期待したいことは?
「きれいな心で、素直で優しいままでいてほしい。そして、ずっと私のことを好きでいてね」(チ)「今のままで変わらないでいてくれるのが一番。そして、笑顔でい続けてほしい」(ス)
前回のバカンスは?
「アヴィニョンの近くの彼の両親の家へ。ステファンのお父さんが作ってくれたデザートがすごく美味しかったです!」(チ)
夢のバカンスは?
「南で過ごすバカンス。例えばコルシカ島に行って、何もしないで、とにかくのんびりしたいなあ」(ス)
最近、二人で出かけたイベントは?
「家に友だちを呼んで、餃子パーティをしました。うまく焼けなかった分も、スープに入れて食べちゃいました」(チ)
お気に入りのレストランは?
Comme à Savonnières (18 rue Guisarde 6e 01.4329.5218)
「小さなビストロ。マグロのカルパッチョがおすすめ!」(チ)
カップルとしての満足度を5つ星でいうと?
★★★★「今も十分だけど、もっと良くなってほしいから」(チ)
★★★★★「僕が女性に求める全てを備えているんだ」(ス)
同じ「baguette」でもこんなに違うけど、 いつも一緒の二人です。