2011年12月5日にパリ及びその近郊を中心に、カーシェアリング「オートリブAutolib’」の正式運用が開始された。オートリブを運営する〈Syndicat mixte Autolib’〉は、まず約250台、250カ所のステーションからスタート。拠点・車両共に毎月徐々に増やしていく計画で、来年6月までに約1120拠点の完成を目指している。
「オートリブ」で使われる車は、フランスの大手ボロレ社が製造した電気動車「ブルーカーBluecar」。4人乗り、全車カーナビ・エアコン・オーディオ装備で時速60㎞まで約6秒で到達し、最高速度は130㎞と侮れない性能を持つ。1回のチャージで最大250㎞走行できるので中距離ドライブも安心して楽しめ、レンタカーと同様に借りた場所とは違う場所への返却も可能なので、実に便利だ。コンセプトは「パリのまん延化する公害・渋滞の削減」と「車を所有することができない人々にも、必要な時に低価格で車を使えること」の2点。
利用には運転免許証、身分証明書、クレジットカードなどが必要。料金体系は〈個人1年コース〉、〈家族1年コース〉、〈1週間〉、〈1日〉の4タイプで、登録料は〈個人1年コース〉144ユーロ、〈家族1年コース〉133ユーロ。利用料金は最初の30分が5ユーロ、次の30分が4ユーロ、それ以降は30分ごとに6ユーロとなる。ちなみに各ステーションは、既に電気自動車・バイクを保持している人も、登録料を払えば充電所として利用できる。
オートリブの誕生についての感想を、パリジャンのニコラさんに聞いてみた。
「こういうサービスはまだまだ先のことだと思っていたけれど、まさかこんなに早いなんて、時代の進歩の早さにビックリしているところだ。マナー良く使って欲しいね」
オートリブが、パリのモータリゼーションにどのような変化を与えるか? 注目したい。(和)