政治への異議申し立てを、非合法的な暴力によって行うテロリズムは最も安手の政治的参加ではあるが、迅速、効果的な政治機構が働かない場合に、しばしば発生する現象でもある。今の日本、いや世界全体がその危機にひんしつつも、テロを容認しかねないような心性が蔓延
(まんえん)していることは否定できないだろう。
ここに言う鉛の時代とは、1960年代後半から80年代にかけて、極左の武装グループによるテロリズムがヨーロッパや日本で発生した時代である。映画は、この激動の時代に魅惑され、あるいは距離を置きながら、数多くの作品によって描いてきた。
今回のイベントは〈映画のテロリズム〉と題し、昨年のカンヌで話題となったオリヴィエ・アサイヤス監督『カルロス』をはじめ、イタリア、ドイツ、日本の巨匠たちによるこの時代、このテーマを扱った12本の作品を特集。併せてこれらの映画作品をテーマにディスカッションも予定されている。
11月29日(火)〜12月18日(日)
東京日仏会館エスパス・イマージュ
一般1000円