●Yann TOMA & Ouest-Lumière DYNAMO-FUKUSHIMA au Grand Palais
毎年9月の第3週末に開催されるヨーロッパの大イベントといえば、普段立ち入ることのできない建造物が一般公開され、パリではエリゼ宮を見学できることでも知られている「ヨーロッパ文化遺産の日」。今年は6年ぶりにグランパレも一般開放を決定。1900年にパリ万国博覧会の折に建てられたヨーロッパで最も大きなガラス屋根を誇るこの展示会場では、今回、現代美術の殿堂として2日間限定のアートイベントも開催。その企画の白羽の矢が立ったのは、世界にアートエネルギーを配給するというコンセプトを持つフィクション企業「ウエスト・ルミエール」の主宰で、仏人アーティストのヤン・トマ。彼は会場に1600ワットの光を放つ巨大ボールとdynamo (発電機) のついた自転車240台を設置し、ビジターがペダルをこぐことによってグランパレに明かりが灯るという仕掛けを提案。タイトル「DYNAMO-FUKUSHIMA」には、人の輪で灯す明かりを先の東日本大震災の被災地に応援メッセージとして届け、また多くの人々に地球の未来を改めて考えてほしいという願いが込められている。震災から半年が過ぎ、被災地の話題が日に日に少なくなっているフランスで、改めて日本を想いながら文化遺産を訪れ、そしてフランス市民とともにアート作品制作の一端を担ってみてはどうだろう。(七)
9月17日 10h-1h / 18日 10h-17h。
Grand Palais :
Avenue Winston Churchill 8e(正面入口)