ミラは一応日本語は喋るが、読んだり書いたりは難しいらしい。補習校に通う余裕がない現在、気軽にできる日本語対策はやはり読書だろうか。なるべく夜は日本語の本を読んであげてはいるものの、ミラが一人で読書する際に選ぶのはフランス語の本ばかり。そこで苦肉の策として編み出したのが「三角クジ」。一時帰国した時に、ミラが日本のおみくじに妙に心惹かれていたのを思い出したのだ。京都に行った時は、寺社に寄る度におみくじをひきたがったので、あきらめさせるのにかなり手を焼いたものだ。
お手製「三角クジ」の作り方は簡単。まずは折り紙を用意。白い方に「今日は赤い色がラッキー」「ケガにちゅうい」といった有り難い神様のご神託(?)の数々を、イラスト付きで書く。ミラも一緒に書いていくので、彼女には日本語の練習にもなるだろう。そしてそれらを紙の箱(私たちは靴が入っていた箱を使用)に入れ、表面に手が入る大きさの丸い穴を開ければ完成だ。トイレに置けばいやでも一日一回は目にするので、忘れずに引ける。しかし最近はミラもおみくじの内容をすっかり覚えてしまったのか、ちょっと飽きてしまった様子。早くまた新しいご神託を補充しないといけないのだが。
そんなこんなで手探り日本語教育をしているが、どうも結果は付いてこない。だがまずは日本語を身近に感じてくれるのが大事だと思いたい。(瑞)