
15歳未満の未成年に対しSNSへのアクセスを禁じる法案が7月21日、上院と国民議会で可決され、最終的に成立した。9月からは15歳未満はSNSに新たなアカウントを持てなくなり、来年1月からは既存アカウントもアクセスできなくなる。この措置は欧州連合(EU)加盟国では初めて。
15歳未満のSNS禁止法案は昨年11月に国会に提出されたが、オンラインプラットフォーム事業者に対する規制を定めるEUデジタルサービス法(DSA)に基づくEU委の見解や国務院の判断を受けて、視聴覚デジタル通信規制局(Arcom)が違反を監視することや、未成年の夜間使用禁止、親の監督怠慢罪などが7月20日に両院合同委員会で法案から削除された。
その上下院が合意した最終法案が上院では賛成243票、反対2票で、国民議会では賛成279票、反対81票で可決。15歳未満が禁止となると、結果的にSNSを利用する国民全員が身分証明書などにより年齢を証明しなければならなくなり、表現の自由もオンライン上の匿名性も失われると、服従しないフランス党(LFI)などは反対していた。
対象となるSNSプラットフォームは法案に明記されていないが、DSAが超大規模オンラインプラットフォームに指定するフェイスブック、インスタグラム、X(旧Twitter)、TikTokなどが対象となるようだ。法の施行は9月からで、9月からは15歳未満はSNSに新たなアカウントを作成できなくなり、来年1月からは既存アカウントも使えなくなる。
法案には年齢確認方法は表記されていないが、使用者の年齢を確認する義務を負うのはSNSプラットフォーム事業者であると、アンヌ・ルエナンフ=デジタル担当相は説明。フランス政府が進める国民デジタルIDプログラム「France Identité」やデジタル信頼サービス「Docaposte」、顔年齢推定ツールなどを利用して行うのではないかとみられている。
この法案には、2018年に禁止された小中学校に加えて、高校での携帯電話使用が今年9月から禁止になる。高校内に高等教育の一部が併設されている場合など、携帯電話を使用できる例外的ケースは各高校の校則に明記されることになる。
オーストラリアが2025年12月から16歳未満のSNSアクセスを禁止して以降、英国やドイツでもそのような議論が進んでいるが、その効果に疑問を投げかける向きもある。フォン・デア・ライエンEU委員長は夏中に未成年のSNSアクセスを制限するためのEU法案を提示するとしているが、EUも未成年のSNSへのアクセスを「段階的な」ものにするような方策を検討中のようだ。
SNSプラットフォーム事業者がどこまで年齢規制を実現できるのか、若者がその裏をかくやり方を見つけ出すのか? 9月以降はとくに注視していきたい。(し)
