大統領府は9月5日、首相にミシェル・バルニエ氏 (73) を任命した。バルニエ氏は共和党(LR 保守)の重鎮で、バラデュール内閣で環境相、ジュペ内閣では欧州問題担当相、ラファラン内閣で外相などの経験があり、EU欧州委員会においては英離脱交渉を担当。2021年の大統領選挙にむけた共和党の候補者を選ぶ党内選挙では、ペクレス氏、シオティ氏に敗北し、出馬はならなかった。
7月7日の総選挙では、左派連合(NFP)が最大の193議席を獲得した後リュシー・カステ氏を首相候補として選び、マクロン大統領に彼女を指名するよう呼びかけてきた。しかし大統領は自らの政策に沿った人選のため、諸勢力との協議を続け、7週間が経過していた。
新しく首相に任命されたバルニエ氏の属する共和党が総選挙で獲得した議席数は、47議席にすぎない。左派連合の最大勢力である「服従しないフランス(LFI)」ジャン=リュック・メランション党首は「フランス国民の選挙の結果が盗まれた。若者たちと共に、9月7日に最大限の強力な抗議行動を呼びかける。民主主義のために、個人ひとりひとりの尊厳のために集まろう。国民にこそ主権があるのだ。」と反応。同党はすでにマクロン大統領に対する罷免手続きを開始している。