マクロン大統領は2月28日、9月の新学期から中学2年生(12歳前後)男女を対象にヒトパピローマウイルス(HPV)の予防接種キャンペーンを行うと発表した。予防接種は親の同意が必要で、義務ではない。
このウイルスは性的接触により感染し、ほとんどは病気になることはないが、後に子宮頸がん、膣がん、肛門がん、陰茎がんなどを引き起こす原因になるとされる。性的接触のある女性なら50%以上が生涯で一度は感染するといわれるほど一般的で、若い女性の子宮頸がん罹患増加の原因とされている。
フランスでは予防接種は11~14歳の男女に奨励されているが、現在の接種率は女子37%、男子9%と低く、これを2030年までに80%にするのが狙いだ。英国では、12~13歳で予防接種を受けた女子のその後の子宮頸がんの罹患率が87%減少したという研究結果もある。
マクロン大統領は、今年の1月1日から、26歳未満には薬局で無料でコンドームが支給されるようにすることをSNSで告知するなど(以前は処方箋があれば健康保険から全額払い戻し)、性感染症の予防に力を入れている。(し)