マクロン大統領は7月12日のテレビ演説で、ワクチン接種を医療、高齢者施設関係者などに義務付けることを明らかにした。また、7月21日からは「衛生パス*」を文化・レジャー施設に、8月からは飲食店などにも適用を拡大するとした(衛生パス*はワクチン2回接種済み、48時間以内のPCR陰性、あるいは陽性から6ヵ月以内である証明「回復証明書」のいずれかの場合に取得できる)。
7月後半にも感染第4波が危惧されているなか、病院が逼迫を避け、通常の生活を始め、デルタ株よりもさらに感染力の強い変異種の出現を防止し、経済を回復させるには、ウイルスの感染力を12分の1に減らし、95%の確率で重症化が抑えられるワクチンの接種あるのみ、との確信を語った。
また、大統領が演説を行った翌日、ヴェラン保健相は夜のニュースに出演し、フランス国内では2回目のワクチン接種の1週間後に衛生パスを有効とすることを明らかに(今までは2週間だった)。まだ欧州の他国との調整がとれていないため、欧州域内で衛生パスが必要な国に行くにはワクチン2回目接種後の2週間後となる。
多くの分野で衛生パスの利用を拡大することで、ワクチンを打たない人は、感染テストを2日ごとに受けて陰性証明を得なければならなくなる。また、9月からはテストも有料となるため、ほぼ義務化に等しい。
【ワクチン接種】
9月15日までに接種義務
・病院、老人ホーム、障害者施設のボランティア、従業員全員。
施設内だけではなく、訪問して高齢者や病人と接触する人も含む。
*9月15日時点で接種していない場合は停職や解雇などもあり得る。
・中高生のための接種を新学期から学校で開始。
・1~2月に予防接種を受けた人は、3回目の接種が可能。
9月1日から、今と同じ条件のもと予約、接種が可能。
【衛生パス使用義務】
7月21日から
・50人以上人が集まるレジャー、スポーツ、文化施設(映画館、劇場ほか)の利用者、従業員*。
→12~17歳は、8月30日まで衛生パス所持の猶予。(保健相補足13日)
→*従業員は、8月30日まで衛生パス所持の猶予。(保健相補足13日)
8月1日から
・飲食店(テラスも同様)、ショッピングセンター、病院、老人ホーム、社会医療施設、飛行機、長距離の電車(TGV、Intercité。TERは適用しない)バス移動するには、衛生パスが必要になる。また従業員*にも衛生パス所持が義務付けられる。
→12~17歳は8月30日から適用に。マスクは必要。(保健相補足13日)
→*従業員は、8月30日まで衛生パス所持の猶予を延長。(保健相補足13日)
→TGVなどの利用客には8月2日あたりから衛生パス提示を要求する可能性。(交通相補足14日に補足)
- キャンプ場、ホテルは不適用だが、食堂やプール利用には必要。
ほか
・秋から感染テスト有料化(医者の診断書があれば無料)。
・マルティニークとレユニオン島は7月13日から非常事態宣言下に。夜間外出禁止措置。
・今週からリスク国からフランスに入国する人の、国境でのチェックを厳格化。ワクチン未接種の人は隔離措置。