1963年、ジャマイカ、キングストンの下町トレンチタウンで音楽仲間だったボブ・マーリー、バニー・ウェイラー、ピーター・トッシュが集まってウェイラーズが誕生。1972年には英国のアイランド・レコードと契約し、“Catch a fire”、“Burnin’”という傑作でメジャーデビューをはたす。ロックっぽいギターソロやシンセを加えるミキシングやマーリーを前面に出して売り込もうとするアイランドの方針に反発し、トッシュと ウェイラーはウェイラーズを脱退し、ソロ活動に。マーリ―が36歳で、トッシュが42歳で亡くなった後、ウェイラーズの魂をひとりで引き継いできたウェイラーが、今年の3月、73歳で亡くなった。
すり切れるほど聴いてきたウェイラーの“Blackheart Man”と“Protest”を久しぶりにターンテーブルに。どこまでもストレートな音作りで、ロビー・シェークスピアのグルーヴィーなベースラインにのって、シンプルで骨太でいながらどこまでも温かいウェイラーのボーカル!当時のジャマイカの空気感に満たされるような、レゲエ史上にさん然と輝く名盤だ。(真)