コメディー・フランセーズ年頭の話題作を手がけるのは、仏映画界の雄アルノー・デプレシャン。彼は同劇場で2015年にストリンドベリ作『父』を手がけたが、今回はトニー・クシュナーの大作『エンジェルス・イン・アメリカ』に挑む。ピュリツァー賞やトニー賞に輝く90年代アメリカ演劇界の金字塔的作品だ。
舞台はレーガン政権下の80年代。エイズが影を落とすニューヨークの人間模様が描かれる。オリジナル版は7時間を超えるが、デプレシャン版は3時間にぎゅっと凝縮。『父』にも出演した名優ミシェル・ヴュイエルモーズが、実在の悪名高い弁護士ロイ・コーンに扮する。コーンは若きドナルド・トランプに助言を与えたメンターとしても知られる人物。
デプレシャンはトランプの台頭とカンヌ映画祭のグラプリ受賞作『BPMビート・パー・ミニット』に触発され本作を手がけたという。90年代の問題作は現在にいかなる反響を及ぼしうるのか、敏腕フランス人演出家の解釈に期待したい。(瑞)3月27日(日)まで。
*前売りは完売だが劇場開始1時間前に当日券を狙えるほか追加販売予定もある。公式サイト要確認。17/46,2€ www.comedie-francaise.fr/
Comédie-Française - Richelieu
Adresse : Place Colette, 75001 ParisTEL : 01.4458.1515
アクセス : M°Palais-Royal