グルックといえば、オペラ『オルフェオとエウリディーチェ』が名高いが、同じくギリシャ悲劇をもとにした『トーリードのイフィジェニー』は1779年に初演された遺作ともいえ、『オルフェオ』に劣らない名作だ。
グルックはハイドンより一世代年上の作曲家だが、女神ディアーヌの神殿が嵐に巻き込まれる開幕の描写などはティンパニーが乱打し、古典派並みのドラマがある。その神殿の女祭司長イフィジェニーは、父アガメムノンが母に殺され、母もその復しゅうの念にかられた弟のオレストに殺されるという悪夢を見る。
オレストから悪夢が事実であると知らされイフィジェニーが『Ô malheureuse Iphigénie』と歌う切ない美しさ! この劇的な役のイフィジェニーを、今注目を浴びているメゾソプラノのガエル・アルケス(写真)。オレストには、フランス歌曲集を出している名バリトンのステファン・ドゥグ。トーマス・ヘンゲルブロックがバルタザール・ノイマン合唱団・アンサンブルを指揮。(真)
Théâtre des Champs-Elysée
Adresse : 15 av.Montaigne 8e, 75008 Paris , FranceTEL : 01.4952.5050
アクセス : AlmaMarceau
URL : http://www.theatrechampselysees.fr
6月22、24 、26、28日、19h30。 30日(日) 17h。 35€〜145€