イタリアと国境を接するサヴォワ県は、その大半が山地で、酪農が盛んに行われている。アボンダンス種、タリン種の牛の生乳から作られるボーフォールはこの地方特産のチーズで、1968年にAOP、現在のAOC認定を受けた。こちらの生協で売られているボーフォールは、夏に作られるété(29.30€/kg)、その前の年の冬のhiver(23.65€/kg)、より熟成させたvieux(33€/kg)の3種。一番若いétéはフルーティーで、みずみずしさが強く感じられる。コクと深みの増したvieuxはクルミのような味わい。そのちょうど中間に当たるのがhiverといったところ。地元の生産者と直でつなぐ生協だけに、鮮度の良さはもちろん、値段もうんと安くて嬉しい。
その他にも、ラクレットやルブロション、トム・ド・サヴォワなど、山のチーズの代表格が勢揃い。Bleu de Bonnevalというブルーチーズ(21€/kg)が、程よい塩加減とまろやかさですこぶる美味。
スライスされたサラミ、プレーン、ハーブ、スパイシーから選べるソーセージ、燻製ハムの塊など充実したシャルキュトリーに加え、アボンダンス種のお肉も購入できる。牛のアントルコート(26.30€/kg)もいいが、同じアボンダンス種の仔牛(25.60€/kg)の美味しさに驚いた。本来、牛肉よりも淡白なはずの仔牛肉だが、まるで仔羊かと思うほど濃い味を持っている。
9月現在はまだ閉鎖中の地下のチーズバーでは、貯蔵庫のチーズを眺めながらワインや、アルプスはモンブランの地ビールを飲み、チーズやシャルキュトリーに舌鼓を打つことができる。再開が待ち遠しい。(み)
Coopérative laitière du Beaufortain
Adresse : 9 rue Corneille, 75006 ParisTEL : 01.4329.9107
アクセス : M°Odéon
URL : https://www.cooperative-de-beaufort.com/
月~土10h30-20h, 日14h30-19h30 無休