2019年1月12日、パリ9区のトレヴィーズ通りで起きたガス爆発は、死者4人、負傷者66人の大惨事になった。人が入れないよう建物の前に設置された壁を、連帯の気持ちを表す「ensemble(一緒に)」の文字で埋め尽くしたのはストリート・アーティスト、アルテュール・シモニさんだ。黒いスプレーで文字を連続模様のように描き、通りかかる人に好きな色を塗ってもらう。9区の区役所とトレヴィーズ通りの住民アソシエーションが犠牲者を追悼するために依頼したイベントだった。
シモニさんは同じ言葉を連続して描くグラフィティを制作する。「amour愛」のようにポジティブな言葉を書き続けると、自分が言葉の持つ力に満たされるという。新型コロナウィルス禍のなかで働き続ける医療従事者、スーパーの従業員などに感謝を表すため、「merciありがとう」の言葉を続けて書きトレヴィーズ通りのように市民に色を塗ってもらうことを考えついた(下の画像)。
今は外出規制中なので、インターネットで白黒の画像をダウンロードして色を塗る。できた作品を送るとシモニさんがインスタグラムに載せる。昨年のプロジェクトの名前と合体させ「ensemble merci一緒に、ありがとう」というサイトを立ち上げた。(羽)
www.instagram.com/ensemblemerci
画像のダウンロード
https://arthursimony.com/ensemble-merci