2017年もテロの暗雲は垂れ込めたまま。

リベラシオン紙(12月23日付)

シャルリー・エブド襲撃事件からほぼ2年経った今月5日、ルルー内相とイダルゴ=パリ市長、遺族らが現場を訪れて追悼した。この事件はフランスでの一連のテロの始まりだった。9日にはユダヤ食品店人質事件、6月は工場主斬首事件、8月はタレス列車乱射未遂事件、11月サンドニとパリの同時テロ、2016年には、6月の警官カップル殺害、7月のニースのテロと続き、テロ未遂の逮捕者も続出した2年間だった。

2017年はトルコ・イスタンブールのナイトクラブでのテロで幕を開けた。男が銃を乱射し、死者39人(仏チュニジア国籍の1人含む)。イスラム過激派武装組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出した。トルコではISやクルド人武装組織によるテロが頻繁に発生しており、2015年以降で400人が死亡している。

クリスマス前の19日にはベルリンのクリスマス市の買物客をトラックが次々とはねるテロ事件が起き、12人死亡、56人負傷。チュニジア人アニス・アムリ容疑者(24)はオランダ、フランスを経由してミラノまで逃亡し、23日に警官に射殺された。同容疑者は2011年に不法移民としてイタリアに渡航。同国とドイツの刑務所で過激思想に染まったとされ、独当局に一時期監視されていた。

ISがイラクとシリアで勢力を失いつつあるなか、逆に欧州でのテロのリスクは高くなると専門家は見る。テロの脅威の兆しは2012年3月のモハメッド・メラのトゥールーズの事件で明らかになり、多くの若いフランス人が中東やアフガニスタンのイスラム過激派組織の軍事訓練に参加していることが一般の知るところとなった。また、ISは2014年に西欧、特にフランスでのテロ行為を呼びかけており、その後テロが続発したのはいわば起こるべくして起きたとも言える。

12月23日付リベラシオン紙がベルリンのテロについて「テロは防げたのだろうか?」と問いかけている。しかし、情報活動や警備態勢の強化をもってしてもテロは完全には防げない。中東はまだ混乱状態にあり、アフリカでもイスラム過激派組織が暗躍する。欧州ではイスラム嫌悪を煽る極右・ポピュリスト政党が勢力を増し、社会や政治の緊張は高まるばかりだ。テロリスト予備軍を生み出す国際情勢や社会が改善されない限りテロはなくならないだろう。2017年始まりのこの時期、暗雲は垂れ込めたままだ。(し)


 

パスワードをお忘れの場合、OVNINAVI.COMに登録したE-mailアドレスにパスワードをお送りします。登録E-mailアドレスを入力してください。


戻る