パリ市内のビール醸造家たち。
「黄金のしずく」ビール。
醸造所がある「金のしずく/Goutte d’Or」通りの名は、昔この界隈で作られていた白ワインの色に由来する。この地区はかつてエミール・ゾラが小説『居酒屋L’Assommoir』で語った庶民の町。その頃から様々な人々が行き交い、今も様々なカルチャーが混じり合う。2012年、ここでビール醸造を始めたチエリーさんたちは、この町の人々や歴史に思いを馳せ、「Château Rouge」「Barbès」「Charbonnière」「L’Assommoir」と名付けたビールの金のしずくに自然の素材で味わいを加える。
■ Goutte d’or
28 rue de la Goutte d’Or 18e
ショップ営業時間:毎週木・金曜17h-19hと、土曜 14h-19h。
どんどん存在感を増す〈存在ビール〉(bière de l’Être)。
19区ウルク運河近くで、パリ出身のエドゥアールさんとロイックさんが昨年6月に始めた醸造所。発酵から熟成までじっくり8週間で育てて出荷する。地産地消にこだわり、素材は全てフランス産。有機栽培のモルトはシャンパーニュとピカルディー地方、ホップはアルザス地方から取り寄せる。近い将来、これらの原材料もパリ近辺で栽培することを計画中。100%パリ産のビールが飲める日は近い。今から楽しみだ。
■ Brasserie de l’Être
7ter rue Duvergier 19e 01 4016 5662。
見学は電話で相談 (無料)。試飲は隣のビールバーで (有料)。
パリど真ん中、11区にも本格的な醸造所が誕生!
ボルドー出身の仲間3人がイギリス、アメリカ、ドイツに根付いた小規模ビール醸造文化に刺激を受け、ナンシーの国立学校で醸造学を学び昨年4月に醸造を開始。20世紀初頭の趣ある鉄筋の建物の中で、当醸造所のスタービール、ペールエール「オリジナル」、さわやかな白ビール「Blanc Bec」、日本で品種開発されたホップ、ソラチエースを使ったIPA「Vertigo」などを作る。毎週土曜の見学コースでは、ビール醸造の仕組みや素材について詳しく説明。そこで参加者の好奇心は満たされ、ビールへの愛は深まる。
■ BapBap
79 rue Saint-Maur 11e 01 7717 5297。見学予約 www.bapbap.paris/ 10€で4種の試飲が可能。